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The History of the Grateful Dead

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Author: William Ruhlmann

一応25周年記念ということではあるが、うーむ。少し評価が難しい本ではある。
何が難しいのか、その理由を以下に列記します。

まず、この作者は(おそらく)ロック評論家であって、デッド以外にも非常にたくさんの本を出しているということ。そのためだろうか、バンドの歴史を扱った書籍ではあるけれど、今ひとつ記述に踏み込みがたりないなと思われる箇所があること。何より、大型の写真本であくまで写真がメインであり、文章による記述はかなり少ないので、踏み込んだ話をするスペースが設けられていないという点がある。

しかしながら、ではこの本はただの駄本か?というと、一概にそうとは言えない部分があって、それがこの本の評価をややこしくしている。
例えば、この本でしかお目にかかれない写真が多く含まれるということ。そして、その写真につけられた解説が非常に正確で細かいという点に、しばし唸らされる。また、テーピングやデッドヘズたちの文化的な背景にも記述がされていて、ロック評論家によるやっつけ仕事ではないことは、明白である。うーん、やはり評価は難しい。

まああえて時間と費用を掛けてまで、入手する必要はない。でももしも、簡単に入手可能であったり、身近に持っている人がいれば、一読はお勧めしておきます。きっと誰が見ても「あれ?」という写真があることは間違いないから。

<2005年11月現在>
【お薦め度】4点(/10点満点)

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# by h_asaden | 2005-04-16 23:35 | History of the Grate

Home Before Daylight : My Life on the Road with the Grateful Dead

Author: d0028170_1257225.jpgSteve Parish, Joe Layden

グレイトフル・デッドのロードクルーの一人で、長年ジェリー・ガルシアの楽器を担当していた著者の回想記。

なんといえば良いのか?著者の思い出した順にまさに回想記としか呼びようの無い世界が語られていく。書籍としては、それぞれのお話は年代順に並べられているのだが、デッド史とはあまり関係の無いレベルで、親しかった友人の死や、クスリにまつわる体験、ヨーロッパツアー中の売春宿での大暴れなどの思い出話が次々と繰り出されてくる。

「ヘルズ・エンジェルだった友人の死」→「その友人の勧めだったバイクへの興味」→「紹介された伝説のバイカーにバイクを作ってもらうことになる」→「バイカーとその愛犬のハードコアな隠遁生活」...。ある章の話はこんな感じで進んでいくが、この手法どこかで読んだことがあるとずっと思っていたら、そうだ思い出した。向田邦子のエッセイと同じだ。まるで連想ゲームのように、ひとつの言葉がキーワードとなって別の言葉が呼び出され、エッセイの最後にはまるで違う話のようになっていく(でも向田邦子の凄いところは、読み終わってから振り返るとひとつのテーマがきちんと語られているところだ)。

スティーヴ・パリッシュの場合は、前後の脈略が無く、単に思い出したままにいろんな話が語られているだけのような気もしないではないが(笑)、でもこうした回想録は貴重だ。なまじっか史実に基づいて有名な事件の裏話をしたり(それはそれで楽しいけれど)、デッドの音楽を自分の言葉で語ろうとしたりされるよりは読んでいて楽しい。それに著者の人徳だろうか、何よりもこの本は肩がこらない。
読んでいて「アハハ面白いなあ。あれ?でもこの章はグレイトフル・デッドと全然関係ない話じゃないか」ということも多々あるけれど、なんとなくそれが許せてしまう。

献辞の中で、もうこの世にいない2人の子供と奥さんの名前が書かれていて、読み進んでいくと、彼女たちが亡くなった経緯が本書の中に詳しく書かれています。その時のバンドのメンバーたちの心優しい対応、そして、その時期ジャンキーと化していたジェリーの精一杯の姿には、複雑な悲しさがこみ上げてきます。また、夜通し働き続け、移動中のトラックで九死に一生を得た著者をホテルの部屋で出迎えたフィル(・レッシュ)の思いやりに溢れた言葉と態度には、思わずホロリとしてしまいます。
バンドとそのスタッフという上下関係ではなく、ファミリーの中にバンドとスタッフが同じ高さでいるということを実感させられる一冊です。

<2005年04月現在>
【お薦め度】6点(/10点満点)
【入手難度】容易

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# by h_asaden | 2005-04-16 12:57 | Home Before Daylight

Built To Last Grateful Dead 25th Anniversary Album

d0028170_1221780.jpgAuthor: Jamie Jensen

デッド結成25周年を記念して発売された120ページの書籍型ツアープログラム。発行は1990年。

全ページにカラー写真が掲載され、年代順に出来事や事件について簡単に書かれている。
キレイな作りの読みやすい小冊子といった感じではあるが、資料としては中途半端なものでもある。

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# by h_asaden | 2005-04-16 12:02 | Built to Last

A Signpost To New Space

d0028170_11493968.jpgAuthor: Charles Reich, Jann Wenner and Jerry Garcia

疲労感から開放されたくて、啓蒙書のようなタイトルの日本語版を読み始めていました。

ただ読み進むうちに「あれ?こんなにストレートなデッドの話だったかな?」と疑問が出てきて、買ったきり開いてもいなかった原書と読み比べてみました。なるほど確かに、書いてあるとおりですね。自分の生い立ち。バンドについて。音楽観。それぞれの楽曲に対する意見など、極めてストレートなインタビューです。もっと啓蒙的で、ある意味思わせぶりなインタビューだったように感じていたのは、なんだったのだろう?あの思わせぶりな日本語版の題名のせいかな。

それよりも(この時点ではまだ実現していない)自前のレコード会社の構想や、いろいろなものをシェアするという発想が、この時期(71年~72年)に既にガルシアの中にあるということに、改めて驚きました。彼らが30年間、ほとんど何も変わらなかった理由のようなものがこのインタビューから感じ取れます。

片岡氏の日本語訳は的確で、今読んでも古びたように感じる訳語がほとんどないので、あえて原書で読む必要はありません。またインタビューの内容自体に、(特に資料としては)今となってはの感があるのも事実ですし、何より2日目のストーンした状態でのインタビューは、正直読んでいてキツイ(酔っ払いの世間話に近いものがあります)ので、この辺はいただけないな、と思います。(日本語訳本は、2日目のインタビューをカットしていますが、正解だと思います)。

まずは日本語版を買って、それでも読み足りなければ、うーん、でもそれなら、別の書籍をお薦めしますね(笑)。あえて原書を買う必要は無いです。

<2005年05月現在>
【お薦め度】2点(/10点満点)
【入手難度】容易
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# by h_asaden | 2005-04-16 11:49 | A Signpost To New Sp

The Illustrated Trip

d0028170_11402086.jpgContributors include: Blair Jackson, Stephen Peters, Chuck Wills, Dennis McNally

デッドの集大成ともいえる一冊。最初のページから年代の日付順に起こった全ての出来事が、関連する写真と共に載せられている。いわば、全ページカラーによるデッドの一大絵巻といったところ。そこには全てのアルバム・書籍などの情報も含まれているので、とにかく資料としてはこれ以上を望むことは出来ないだろう。
必須アイテムだが、唯一の問題はとにかくサイズが大きすぎて、普通の本棚には並ばないということ。

多くは語るまい。新刊として入手可能な間に手に入れておいてください。一生読めます。

<2005年04月現在>
【お薦め度】9点(/10点満点)
【入手難度】容易

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# by h_asaden | 2005-04-16 11:40 | The Illustrated Trip

Dark Star :An Oral Biography of Jerry Garcia

d0028170_11374736.jpgAuthor: Robert Greenfield

ジェリー・ガルシアの伝記ながら、本文以下の全ての部分を関係者と本人の証言だけを並べた構成。それだけで、彼の誕生からバンドの変遷、そして死までを年代順に並べて見せた力作。
多くを期待せずに買ってみたが、これはなかなか面白い本です。何より、有名ないくつかの事件について、関係者や本人のコメントが直接読めるわけですから。

どこから抜き読みしても良いし、それぞれのコメントが実に興味深い話ばかりなので、ちょっと抜き読みのつもりが思わず読み込んでしまいます。全編会話文なので、若干単語が分かりにくい部分もありますが、拾い読みしやすいので洋書初心者には特にお勧めです。

MOCHIさんも掲示板で書かれていましたが、80年後半から95年までの間に、ジェリーが関わりを持った3人の女性、彼女たち全員のコメントが並列で読めるのは貴重です。また、きちんと事実関係を整理していくと、誰もが皆、複雑な形で傷を負っている様子が分かります。

<2005年04月現在>
【お薦め度】7点(/10点満点)
【入手難度】新刊は絶版になった模様。中古市場をマメにあたれば、入手は可能。

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# by h_asaden | 2005-04-16 11:37 | Dark Star

The Deadhead's Taping Addendum

d0028170_11315577.jpgAuthor: Michael Getz, John Dwork and Brian Dyke

タイトルこそ違うが、過去3冊の補足記事を中心にしたシリーズの第4弾。

伝説のテーパー、マーティ・ウェインバーグへのインタビュー、デッドのテープ保管庫であるヴァルト探訪記、そして何よりもディック・ラトバラ特集とも言える数々の追悼記事を読むことが出来る。

問題点をあげるとすれば、前述のディック関連の記事で使われていた写真の大半が、彼のオフィシャルサイトからの転用であり、無理な引き延ばしによる画像の粗らさが目立つことである(何故、きちんと原本を借りてきちんと引き延ばさなかったのだろう?)
興味深い記事も多く、マニア度と資料度はかなり高いが、あまりに渋すぎる話題なので、そこまで知りたがる人はどれくらいいるのだろう?という点で、逆に疑問が残る(第1巻辺りのレビュー記事に対する補足は充実しているので、その時代が好きな人は押さえておきたいが)。

シリーズ1~3を完全に押さえてからの購入でよいだろうし、現時点では入手方法が面倒なので、もう少し手軽に入手できるまで待ってみても良いかもしれない。

<2005年04月現在>
【お薦め度】6点(/10点満点)
【入手難度】少し面倒。
以下のURL経由で、著者本人にメールを送り、PayPal経由で購入します。書籍は35ドル(+送料)だったと思います。著者のレスポンスは早く、扉絵の上にはサインが書いてありました。
http://www.geocities.com/bsmall2/Articles/TapersAdd.htm
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# by h_asaden | 2005-04-16 11:32 | The Taper's Compendi

Jerry Garcia

d0028170_11302824.jpgAuthor: Patricia Cronin Marcello

一片10センチ程度の(ミニチュア絵本のような)全ページカラーの書籍。

正直なところ、買った時に一度だけ読んだきりなので、何のための書籍で何が書いてあるのか、すっかり忘れていたが(笑)、このサイズにしては珍しいことに、比較的ストレートなガルシアのバイオ本。

本のサイズとは関係なく、字の大きさが普通のフォントサイズということで、割に読みやすい。ただ当然ながら情報量はかなり少なくなっている。

資料的にはほとんど価値はないが、僕はこの本から作者の想いのようなものを感じさせられた。
資料・読み物という点から評価はかなり低くしたが、何かの折りに買って上げて、本棚の一角に飾っておいて欲しい一冊でもあります。安いしね(笑)。

<2005年04月現在>
【お薦め度】2点(/10点満点)
【入手難度】比較的容易
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# by h_asaden | 2005-04-16 11:30 | Jerry Garcia

Dead To The Core :An Almanac of the Grateful Dead

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Author: Eric F. Wybenga

ブレアー・ジャクソンの"Goin' Down The Road"をオフィシャル寄りのファン本とすれば、こちらはアンオフィシャルなファン本と言ったところ。

バンドの写真もなければ、インタビューも無し。各ショーのセットリストも、ディスコグラフィも無しという徹底振り。一人のファンが手持ちの資料とテープを駆使してデッドの過去のショーをレビューし、各年の意義やそれが後にどう影響していったかを一人きりで延々と語るという、これまでありそうで無かった書籍。

全てが主観的で客観性が無いという点では資料性は限りなくゼロに近いが、突飛な意見は少なく、実に手堅く説得力のある説明なので、(それが若干くど過ぎる時もあるが)、読んでいて共感できる部分は多い。

中途半端にファン度が増すほどに、デッドに関する意見は極端になりがちだが、この本ではあくまで慎重で、いわゆる「それはちょっと」という極論は少ない。

誰もが一度は自前で作りかけた「デッドノート」の完成形がここにある、とまで言ったら誉めすぎだろうが、しかし労作である。
ただ、ショーレビューとセットリストについてはTCシリーズが完備されているため、前述したように資料度としては価値はあまりないだろう。個人的には、このお手製風の徹底振りは好きだが、それにしてもこの本、売れなかっただろうなあ(笑)。

ちなみに、"The Taper's Compendium - Volume 2"の中で、87年のデッドとディランのリハーサル音源について、寄稿しているのはこの著者である。

<2005年04月現在>
【お薦め度】6点(/10点満点)
【入手難度】絶版になって久しいが、人気がないためだろうか、中古市場では比較的廉価で入手が可能

Amazon.comでの中古購入
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# by h_asaden | 2005-04-16 11:25 | Dead To The Core

Goin' Down The Road :A Grateful Dead Traveling Companion

d0028170_11224688.jpgAuthor: Blair Jackson

発売は92年。
メンバー全員へのインタビューを中心に(何故かブレントのみ未収録、代わりのようにドナ(!)とロバート・ハンターへのインタビューが収録されている)、ニール・キャサディに関する記事(表題「カウボーイ・ニールとは一体何者だったのか」)、デッドのカバーソングの全曲ルーツ解説、お勧めのテープとショーの日時などなど、かなり充実した内容。

いつも思うが、ブレア・ジャクソンの質問は的を得ていて読んでいても楽しい。「そうそう、そういう質問して欲しかった」という箇所に何度も出くわしたのが嬉しい(単に自分と似ているだけ?)。
ただ、どんなにつっこんだ質問をしていても(例えばドナに対して、「バンドを辞めた理由はあなたが音を外しすぎるからとフィルが言っていたが?」、「結果として自分たちから辞めたのか、辞めさせられたのか?」という強烈な質問など)、その質問が芸能記事のような、下世話な感を読み手に与えないのは、ひとえにデッドに対する愛情の深さと、膨大な知識のおかげだろう。まったくもって安心して読んでいられる一冊。

<2005年04月現在>
【お薦め度】7点(/10点満点)
【入手難度】絶版のため、やや困難。中古市場をマメにあたれば購入は可能。

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# by h_asaden | 2005-04-16 11:22 | Goin' Down The Road