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The Complete Annotated Grateful Dead Lyrics

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Author: David Dodd

やたらと長いですが、サブタイトルは、「The Collected Lyrics of Robert Hunter and John Barlow, Lyrics to All Original Songs, with Selected Traditional and Cover Songs」です。

グレイトフル・デッドのオリジナル曲の歌詞を解説するという名物サイト。その完全書籍版。(http://arts.ucsc.edu/gdead/agdl/

サイトで見れるのだから、書籍になる必要はないだろうと思っていましたが、書籍版の方が丁寧に作られているように思います。何より、タイトルが物語るように、書籍版の方にはTraditionalやカバー曲も何曲か取り上げられているので、サイト以上に読み応えがあります。

絶対売れないのはわかっているけれど、これ日本語版出ないかなあ?
まあ版権が異様にややこしそうなので、おいそれとは発売されないだろうけど、一縷の望みをどこかの出版社でかなえてくれないだろうか?

ほぼ全ページに描かれた一コママンガ風のイラストがなかなかポイント高いです。

<2005年11月現在>
【お薦め度】9点(/10点満点)
【入手難度】容易。

The Complete Annotated Grateful Dead Lyrics: The Collected Lyrics
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# by h_asaden | 2005-11-15 21:58 | Annotated Lyric

Searching For the Sound

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Author: Phil Lesh

資料的な価値を求める人や、トリヴィア的なネタを求める人には、この本は少し読み足りないかもしれません。本書では、フィルが問わず語りのように、訥々と語りかけるような流れで全体が構成されています。彼は自分の生い立ちから、音楽との出会い、バンドとの出会い、各種の出来事(ウッドストック、オルタモント、ピッグペンの死、今の奥さんとの出会い、子供の誕生、ジェリーのことなど)を、時代順に語っていきます。
実際に、この書籍は曲名や人名などのインデックスも無く、各章ごとの小見出しすら無いという徹底振りです。同時発売のCDブックでのフィルの朗読を聞きながら読み進めていくと、その「問わず語り」感は強くなります。「うん、そう、それから子供が生まれたんだ。あれはすごい体験だったね」という話を、同じ部屋にいるフィルから直接聞かされるような、そんな文体です。

もちろん、本文の中にはトリヴィア的な発見があることも事実です。初めてフィルがメンバーたち(この時点ではThe Warlocksですね)と一緒にリハーサルをした時に演奏した曲は何か?、グレイトフル・デッドというバンド名をつけるきっかけになった英語辞書は誰の持ち物だったか?、ダン・ヒーリーがバンドを辞めた理由は何か?、"Unbroken Chain"を演奏するようにフィル薦めた人物は誰か?などなど....。ただ、この書籍の意義は、そうした裏話的なものではなく、フィル・レッシュという一人の人間が数奇な運命に操られるように、音楽や多くの人々に出会い、現在まで生きてきたということです。そして読了後にまず僕が感じたのは、フィルがこの世界のどこかで生きていて、今も音楽活動を続けているという確固たる事実でした。

さて、デッド関連の書籍を読み進めていくと、後半がどんどん辛くなってきます。それは95年のジェリーの死について、誰もが避けて通れないからです。僕にはかねてからデッドというバンドに対する疑問がありました。それは、ジェリーの体調がどんどん悪くなっていくことを、誰もが分かっていながら、デッドとしてのツアーを止めようとしなかったことです。本当であれば、94年の早い段階ですべての活動を止めて、ジェリーをリハビリに専念させるべきだったのです。そのことは、デッドに近い関係者であれば、誰もが語る事実です。
しかし今回のフィルの話を読んでいると、それを止めることはフィル自身にも、そしてメンバーの誰にも出来なかったということが語られています。とにかくこの95年という年、バンドは疲れ果てていました。会場ごとに繰り返される暴動まがいの騒ぎ。警官と観客の小競り合い。ジェリーへの脅迫事件。会場周辺での観客の事故死。もう何もかもが暗い穴に落ちていくように、すべてが不吉なままに、なす術もなく、ただショーだけが淡々と繰り返されていたのです。

もちろんフィル自身も、ただジェリーを傍観していたわけではありません。90年以降のあるミーティングでは皆の前で、薬物依存の度合いを深めるジェリーを罵ります。ただ、そうしたことを何年も繰り返すことに、皆が本当に疲れてしまったのでしょう。まるで伝説上の生き物が、ただただ自分自身の巨大さのために、死のカーブを曲がりきれなかったような、そんな最期だなと。僕にはそんなふうに思えるのです。

本文の中でフィルは何度も、ジェリーをいつも目指していたと語っています。言葉を変えて、何度もそのことが語られています。でも、そのフィルにしても、もう最後にはジェリーが死に近づいていることを諦めてしまっていたような、そんな気がするのです。
最後のショーとなってしまった95年07月09日シカゴのショーで、"Unbroken Chain"の後、"China Doll"を演奏しようとするジェリーをさえぎるように"Sugar Magnolia"の演奏を始めるボビー。アンコールの"Black Muddy River"に「これでショーを終えるのは辛すぎる」と考え、"Box of Rain"を演奏したフィル。それがメンバーに出来るせめてものことだったとしたら、それはあまりにも悲しすぎます。

蛇足ながら。
これは意地悪な読み方かもしれません。でも本書で、ただ一つ気になった点は、メンバーに対して(特にボビーに対しては)否定的な意見がほとんど書かれていないということです(中扉にもボビーと一緒の愛情豊かなスナップ写真があります)。これはフィルの性格がそうさせるのでしょう。そして今後もThe Deadという形でバンドを続けていくためには、そうした配慮が必要なのでしょう。本来であればThe Other One時代にあったボビーとの確執、初期のバンドで半人前扱いだったボビーのことなど、まったく触れられていないことは何だか不自然であるなと思いました。でも、それは当事者であるために語れないことなんだろうなと、そんなことも考えてしまいました。

<2005年05月現在>
【お薦め度】7.5点(/10点満点)
【入手難度】容易。

Amazon.co.jpでの購入はこちら
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# by h_asaden | 2005-05-26 14:01 | Searching For

Egypt:Truckin' with The Grateful Dead to

d0028170_1155622.jpgAuthor:Robert Nichols

発行はおそらく1984年。
本書は、デッドのローディ(裏方作業人)として、エジプトへ同行した筆者の旅行記です。書籍としては、描写が甘かったり、事実関係が間違えていたりと、いささか詰めが甘い箇所がありますが、こうした裏方からの視点は読んでいて楽しいものです。もともと筆者のロバート・ニコルスは、Wall of Soundsでおなじみの化け物じみたPAシステム時代にも、グレイトフル・デッドのローディとして働き、その後、数年のブランクを経た後に、エジプトに同行していったようです。その辺りの話は本書の第1章に詳しいので、別発言として、リンクをしておきます。(第1章の拙訳はこちら

なおエジプト公演の模様を伝える資料としては、"The Taper's Compendium Vol.2"と、"Family Album"を合わせて、お薦めします。

<2005年04月現在>
【お薦め度】3点(/10点満点)
【入手難度】はるか昔に絶版になったため、入手はかなり困難です。ただ、本書の内容に資料として特筆すべき点がないことや、作者が亡くなられていることなどを考え合わせれば、今後再販される可能性は限りなく低いと思います。時々、中古本として市場に出ますが、結構な値段がつけられているので、苦労してまで入手することは止めたほうが良いと思います。ちなみに、本書は赤城山のなべさんからの借り物です。なべさん、ありがとうございます。
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# by h_asaden | 2005-04-29 11:55 | Egypt

The Teddy Bears' Picnic

d0028170_11532327.jpgAuthor:Jerry Garcia / David Grisman / Bruce Whatley

今回の記事を書くまで、まったく知りませんでしたが、1900年の初め頃に作られたかなり有名な歌を題材にした絵本です。その後、1940年代に歌詞が書き換えられ、現在のタイトルに変更されている模様です。

というわけで、お話はその1940年以降の書き換えられた歌詞と、テディベアーたちが森に集まって、様々な遊びをしている様子が、かわいらしいタッチの絵で描かれているだけでして、扉絵のジェリー似の熊がなにか、大活躍をするわけではありません(実際、表紙と物語の最初のページ、そして最終ページにしか彼は出てきません)。

何ゆえこの書評で取り上げるかと申し上げますと、カセット付き版を購入すれば、ジェリー・ガルシアと、デヴィッド・グリスマンの演奏するディキシーランドヴァージョンの同名曲を聞くことが出来るということです。しかしこの演奏を目当てに買うのであれば、やはりこちらのアルバム"Not For Kids Only"を買うのが筋でしょう。いやいや、どうしても、それに安いから書籍とカセットを買っておきたいという奇特な方には、以下のカセット付き版をお勧めしておきます。

<2005年04月現在>
【お薦め度】1点(/10点満点)
【入手難度】容易

【Amazon.co.jpからの購入】
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# by h_asaden | 2005-04-24 00:53 | The Teddy Bears' Pic

The Taper's Compendium - Volume 2

d0028170_11581172.jpgAuthor: Michael Goetz, John Dwork

もしも「クイズ100人に聞きました」で、「TCシリーズの1から4までで一番好きな書籍はどれか?」という質問が出たなら、果たしてどれが1番になるだろう?(もちろん、そんな質問が飛び交う「クイズ100人」が現実世界で成立するわけはない。それに日本国内で1から4まで、全4巻すべてをそろえている人が、100人以上もいるとは思えない。本国アメリカでだって怪しいものだ)

僕自身の使用頻度でいえば、3.2.4.1の順番だ。これは当然ながらどの時期の音源をよく聞くかに掛かっている。そしてご覧の通り、僕の第1巻の使用頻度はかなり低い。これは第4巻で多くの修正記事が掲載されているため、1の時代(65から74年)の音源についても、まずは4を開く癖がついているからだ(大抵、そのまま別の記事を読みふけることになる)。
もちろん、決して1の内容に問題があると言いたいわけではない。こういうのはまあ持ち回りや相性の問題だと思って許して欲しい。それによく考えたら、1は一番最後に入手したため、個人的な思い入れが限りなく少ないのだ(書籍にはこういう「思い入れ」という独特のフィルターがあって面白いのだけれど、書籍の評価サイトで「思い入れ」を口にしちゃ、いけませんね)。

で、使用頻度とは別に、個人的にどれが好きか?と聞かれれば、その順番は2.3.4.1になる。1の出版時にはまだ若干の手探り感が作り手側にあったが、それが2の頃になると(1が受け入れられたという自信からだろう)、迷いのようなものがなくなっている。そしてこの巨大な同人誌のような手作り感と、その巨大さが生み出す心地よい威圧感との絶妙なブレンドが、2には強く感じられるのだ。(更に言えば、3までいくと、これはもうプロの仕事で、一つの完成形という感じが強くなり過ぎているし、4では、その方向性が完全な楽屋オチの方に向かっている。それはそれで面白いと個人的には思うけれど...。第4巻だけを取り上げて、TCシリーズの意義みたいなものを語ることは、多分出来ないだろう)
ちなみに表紙絵については、2.3.1.4の順で好きだ。

とにかくどれか1冊と思われる人には2をお薦めしておきたいのだが、どうも中古市場では妙なプレミア価格になっている模様。うーーむですな。手にとっていただければ僕の言う「心地よい威圧感」を感じ取っていただけるのに。なんとも残念。

<2005年04月現在>
【お薦め度】9点(/満点は10点)
【入手難度】絶版のため新品での入手は困難。中古市場ではプレミアのついた価格付けが多いので、現時点で入手するのは得策ではない。無難な値段で販売されているサイトがあれば、情報をお寄せください。

2005年04月23日・追記です。こちらのSkySoftのページで、一応入手可能な状態です。ただ、こちらのサイトは結構、ずいぶん待たされてから「すいません。入手できませんでした」ということが多々あるので、あくまで、ダメ元で、頼んでみてください。基本的には送料は無料。最寄の書店で受け渡し可能というスタイルは便利で簡単です。Amazonに押されてますが、SkySoftにもがんばって欲しいです。

<2005年11月補足>
SkySoftでの取り扱いはなくなった模様です。

Amazon.comで、少量ながら販売が再開されています。販売はこちら→
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# by h_asaden | 2005-04-23 11:58 | The Taper's Compendi

Playing In The Band

d0028170_1261435.jpgAuthor:David Gans and Simon

デヴィッド・ガンスのことが少しだけ苦手だ。

もちろん彼の功労は計り知れない。Grateful Dead Hour(GDH)のホストとして、これまで8百(?)を超える番組を放送してきた(すいません、記憶で書いてます。正確な数字はまた調べておきますが、いずれにせよ、半端な放送回数ではないということです)。この番組でしか聞けない音源も数多く存在している。そもそも番組自体が、トレードや音源ダウンロードの対象になるほどの人気で、彼がデッド界において、いわば功労者の一人であることは、誰にも異論はないだろう。

ただ、こと書籍という面に話を限ってしまえば、どうもガンス(呼び捨てだ)の話は分かりにくい。当初はそれが言語の壁から来る分かりにくさなのだと自分を納得させていた。しかし、例えばブレアー・ジャクソンの書籍に、そんな分かりにくさは見当たらなかったし、スティーヴ・シルバーマンの文章にも、そんなものは感じられない(シルバーマン氏の比喩はなんだか訳しにくい。ただ論旨が分かりにくいと感じることは極めて少なかった)。

自分なりにガンスとの相性について、ここ数日、色々と考えているのだが、ただひとつだけ思いついたことがある。それは彼が自分を基準にしてものを言いがちだということである。ご存知の方もおられるだろうが、ガンスは自分でも音楽活動をしていたことがある(ここに音源が上がっていたはず。http://webdev.archive.org/audio/etree.php)。若き頃はフォークシンガーになることを夢見て、女性とデュオを組んでいたらしい。そのキャリアがどれくらいのもので、どこまでモノになっていたのかを、知る由もないが、その頃の体験を元に「曲を作るということは」的な話を進めることがある。

もちろんガンスだって、まったく回りのことを考えていないわけではない。彼とて、自分のことを話に出していいときと、出すべきでないときのけじめはキチンとつけている。でも僕の目にするガンスの発言や記事の多くは、自分の音楽活動体験を絡めた話をしているような気がする。

本書はデヴィッド・ガンスと写真家のピーター・サイモンが共著という形で出した書籍だ。確かに広く浅く、多方面に渡って記述はあるが、こうしたヴァラエティ本を、改めて取り出して眺め直すことは稀である。なぜなら、そこでしかお目にかかれない記述が少なく、そこに新たな切り口を発見することが極めて少ないからだ

もちろん、85年の発売という時期を考えれば,(後の87年のブレイク以前に)この内容で書籍を出したことは非常に意義深いと考える。ただ,2005年の今の視点で本書を読み砕いたときに,多くの発見があるか?と聴かれれば,答えは残念ながらノーである。本書が伝えようとしたことは,時代の熱気であり,現在進行で動き続けるバンドと,彼等の周辺に作り出された数々のシーンの記録である。ガンスが本書で作り出した功績は,このバンドについては,こうした見方もあるし,更にこういう見方もあるという,いくつものベクトルの提示だ。それらのベクトルを受け取る形で,次の世代の書き手たちが,それぞれの方向性を太く深く追求していったのだろう。そしてその方向性は細分化され,確かに開花したと思われる。
ただ,残念なことに,その後のバンドの活動停止までの10年間の変化は激しく,その時点までに本書の役目は終わってしまっている。

今後のガンスに期待することがあるとすれば,僕が本当に読みたいのは、彼がGDHを製作するにあたっての苦労話や、番組作成のノウハウなのだ。自由に出入りしてよいと許可されたヴォルトに入って、数知れぬテープの山から放送用の音源を探し出したときに、彼が何を感じたのかを教えて欲しいのだ。
裏話とボーナス音源をオマケで付けた「コンプリートGDH本」を出してさえくれれば良いのになあ。みんなが求めているのはそれなんだぜ、ガンス。

<2005年04月現在>
【お薦め度】4点(/満点10点) ←時代背景を見るための資料として
【入手難度】比較的容易。5ドル以下(+送料)でも入手は可。

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# by h_asaden | 2005-04-21 14:06 | Playin' the Band

Deadheads: Stories from Fellow Artists, Friends, and Followers of the Grateful Dead

d0028170_23273848.jpgAuthor: Linda Kelly

DeadHeadという種族がいる。

その頂点には(あるいは最底辺か?)Grateful Deadを愛するあまり、その人生のすべてをかけ、彼らの活動を追い続けるヘビーな人たちがいる。その対極には、ビジネスデーは高級エリートとして、そして週末やショーの時間だけ、その衣装をタイダイに着替えて、パートタイムに彼らのショーを楽しむ人たちがいる。その人種の幅、年齢の幅は限りなく広い。

本書は、そうした多くのDeadHeadsたちとのインタビューを章ごとにまとめ上げたなかなかの力作である。インタビューの対象は一般のファン、関係者、親族、その友人、同業のミュージシャンたちにまで至る。

各章は「関わりを持つ」「チケットを手にいれる」「入り込む」「ハイになる」「ぶち込まれる」「ステージに上がる」「離脱する」「終わらせる」といったふうに、少しずつ段階が進んでいくようになっている。何より面白いのは、DeadHeadから足を洗った元ファンのためにも、きちんと章が充てられていることだ。

人はいかにしてDeadHeadになっていくのか?、DeadHeadであり続けることはどういうことか?、どうしたきっかけでDeadHeadを辞めてしまうのか?、そしてもちろん、どうして辞めずにいられるのか?

Robert Greenfieldの"Dark Star"は、ジェリー・ガルシアという一人の人間を、多くの関係者の証言によって、浮き彫りにしようという書籍だった。本書はその対象をDeadHeadsに向け、それぞれに自分たちの過去・現在・未来について語ってもらうという面白い試みがなされている。

資料度としては、かなり点は低いが、雑誌の「読者の声」ページだと思えば、その感じは伝わるだろうか。そんなの面白いの?と聞かれれば、「あなたがDeadHeadならば」とだけお伝えしておきたい。

<2005年04月現在>
【お薦め度】5点(/満点10点)
【入手難度】絶版ながら中古市場からの入手は容易。コンディションを気にしなければ1ドル(+送料)で入手は可能。

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# by h_asaden | 2005-04-20 10:30 | DeadHeads

DeadBase 93: The Annual Edition

d0028170_21395672.jpgAuthor: John W. Scott, Stu Nixon, Mike Doigushkin

(DeadBaseについては、こちらの紹介記事を参照願います)

DeadBaseには、3種類のシリーズが存在する。
1つ目は"DeadBase XI"としてこのサイトでも紹介したいわゆる通年版。65年頃のショーからその時点までの最新ショーのセットリストを網羅したものだ。主にショーごとのセットリスト(Song Lists)、曲ごとの演奏日の一覧(Every time Played)、各ショーのレビュー(Reviews)などで構成されている。1999年までにシリーズとして11冊が出版されているが、個人的には、XかXIのどちらかを押さえておけば、それ以前のものを探し出す必要はないと思う。
2つ目は、通年版の中から、セットリストの部分だけで編集された小型版の"DeadBase Jr."だ。通年版はA4サイズで500ページをゆうに超えてしまうため、携帯性を考えて小型版のジュニアが発売された。A5サイズで280ページのジュニアは薄めのペーパーバックサイズのため、確かに携帯しても苦にはならない。バンドが95年に活動を休止してしまったため、シリーズ化されることもなく、1冊が販売されただけに終わっている。
そして3つ目がThe Annual Editionという単年度版である。これは88年から93年まで計6冊がシリーズ化され、出版されている。
「通年版があれば単年度版は要らないじゃないか」というのはもっともな話である。いかにマニアといえども、それはやりすぎではないか?と誰しも思うだろう。ただ、この単年度版には、ここにしかない、執拗なまでの分析がこれでもかと書かれている。
まずその年に行われた全てのショーの演奏時間と演奏曲数の比較。同様に1stセットの曲数と演奏時間数の比較、2ndセットの比較(2ndセットではDrumz(※1)以前とDrumz、Drumz以降の時間も分類の対象だ)。ショー単位での曲ごとの演奏時間の記載。その比較。時間の長い順、短い順。各ショー会場のキャパシティと実際の動員客数(ソールドアウトの有無)。チケットの写真と、ショーの写真。ファンからのアンケートの調査結果。そしてショーのレビュー。
なんというのか、「これでもか、これでもか、これでもか」という感じである(笑)。そしてバカみたいな話なのだが、そういうのをぼんやりと眺めていると、「あれなんでこの日の1stセットはこんなに短いんだろう」とか、「この日のDrumzは凄そうだな」とか、新しい興味がムラムラと涌いてくるのだ。個人的な結論を言えば、「探し出してまで(そして高い金を払ってまで)揃える必要はない。でも持っていても損はしないし、新しい発見は必ずある」ということだ(※2)。

<2005年04月現在>
【お薦め度】7点(/満点10点)
【入手難度】絶版のためかなり入手難だったが、以下のURLで限定100部が販売中。新品です。

販売は終了した模様です《2005年11月追記》

※1.DeadBaseでは、いわゆるDrumsとSpaceをひとまとめにして、Drumzとして記載している。
※2.2005年04月にAmazon.comで、88年から93年まで、全ての単年度版のデッドストック品が100セットずつ定価で販売された(各10ドル+送料)。一冊だけを買うのなら安い買い物であるが、6冊全てを揃えると送料込みで120ドルほど掛かってしまう。そこまでの価値があるかどうかは、各自の判断にお任せする。ただし、プレミア目的で買うのだけは止めた方が良いと思う。
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# by h_asaden | 2005-04-17 18:57 | DeadBase 93

Grateful Dead Comix: 16 Grateful Dead Classics interpreted by Leading Comic Book Artists

d0028170_1629258.jpgEdited by Jeff Tamarkin and David Schreiner

デッドの楽曲やショーのエピソードばかりを劇画化したGrateful Dead Comixという漫画雑誌があった。91年に#1が発売され、結局93年3月までに7冊が発売されている。これはその内の#1から#4までの作品を集めた編集版である。

ここで紹介されている楽曲は次の通り。"Dire Wolf","Casey Jones","Friend of the Devil","Cumberland Blues","Tennessee Jed","Terrapin Station","Truckin'","The Golden Road","Sugaree","One More Saturday Night","St. Stephen","Jack Straw","Mexicali Blues"。
他にも82年のRed Rockでの3夜の体験を描いたレポート風のものや、72年のヨーロッパツアー中のパリのゴシップ話を描いたものもある。

いかにもなアメコミタッチのものから、なんだか「あれ?これプロの絵?」というのまで、様々なタイプのものが収められているが、個人的なお気に入りは"Truckin'"、"Casey Jones"を描いたNina Paley(※1)と、Red Rocks 82体験記のTerry Labanだ。この絵はTシャツで欲しいな。(ユニクロのTシャツコレクションに期待しよう)

結局、雑誌のGrateful Dead Comixはその後、シリーズ第2弾(Vol.2)として#1から#4までが93年中に発売され、その後の出版はない。
現在、雑誌は中古市場に少量ながら出まわっているが(※2)、何より送料がバカにならないので、全ての雑誌を集めることを早々と諦めてしまった人には、この編集版はお得である(安くで手に入ればの話だけれど)。

SFやコミックが好きだったジェリー(・ガルシア)が序文を寄せている。

<2005年04月現在>
【お薦め度】5点(/10点満点)
【入手難度】絶版のためやや困難。マメにサイトやオークションサイトをチェックしていれば、入手は可能だろう。

※1.Nina Paleyの描いた"Casey Jones"の扉絵は"The Illustrated Trip"のP412で確認できます。
※2.2005年04月現在、日本のデッドショップの草分けであるBear's Choiceさんで、Grateful Dead Comix(シリーズ第1弾)が取り扱われています(良心的な価格なり)・。興味のある方はサイトをチェックしてください。
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# by h_asaden | 2005-04-17 17:11 | GD Comix

Tell Me All That You Know: The Unauthorized Grateful Dead Trivia Book

d0028170_23574322.gifAuthor: Brian A. Folker

デッド版、トリビアクイズ集。小型の文庫サイズなので、仲間の集まりに持っていくと、ちょっとだけ盛り上がるかもしれない。各ジャンルごとに質問が分かれているので、「よーし、今日は名前にまつわるクイズをするぞー」という時には便利(そんなヤツはいないか)。
写真もなく、装丁もあっさりしたものだが、まあまあ面白い。
全124ページで7ドル弱。アマゾンでは"Grateful Dead"で検索してもヒットしないので、書名で検索してください。

<2005年04月現在>
【お薦め度】4点(/10点満点)
【入手難度】入手は容易。

Amazon.comからの中古購入
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# by h_asaden | 2005-04-16 23:56 | Tell Me All That